【ボツ原稿再び】 西側による情報操作の裏側を教えます!
再びボツ原稿が発生した。まあ、仕方ない。ただ、わかってほしいのは、この程度の「真実」を書いた原稿さえ「衆人環視」といった状況に置いてもらえない状況に、いまの日本国民が置かれているという「現実」である。
6月21日で70歳になる私にとっては、はっきり言ってどうでもいいことだが、日本は確実に戦争に向かっている。バカ、アホ、マヌケばかりが民心を惑わし、騙されている人が騙す側になって、バカだけがのさばっている。この現象は、日中戦争や太平洋戦争当時とまったく同じ構図ではないのか。
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日頃、いわゆる西側のテレビやラジオが情報操作をしていないかというと、猛烈な情報操作(マニピュレーション)をしている。ウクライナ戦争のように、西側全体としてウォロディミル・ゼレンスキー大統領の率いるウクライナを支援しなければならないという錦の御旗が打ち振られている場合には、とくにそうだ。
そうは言っても、6月11日、ロシアによるウクライナへの全面侵攻開始から1569日となったこの日、4年3カ月以上に及んだウクライナ戦争は、今や第一次世界大戦を上回る長期戦となった(「ニューヨークタイムズ」[NYT]を参照)。そうである以上、西側の政治指導者やマスメディアは、そんな消耗戦を続ける理由について、それなりに納得のゆく説明をする必要性に迫れている。だからこそ、西側が一丸となって、ウクライナ支援と対ロ制裁の強化でまとまるような情報キャンペーンが展開されているのである。
G7サミットとNATOサミットを前にした情報キャンペーン
そこで今回は、2026年6月15日から17日まで、フランスで開催されるG7サミット、および7月7日から8日にかけて、トルコのアンカラで開催されるNATO首脳会議を前に、米国を除く西側先進国がどうしても展開しなければならなかった情報キャンペーンについて説明してみたい。
情報キャンペーンの本当のねらいは、ウクライナ支援の継続と対ロ制裁強化によって戦争を継続させることである。ただし、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領を悪者に仕立て上げるために、戦争を止めようとしないのはプーチンであり、戦争もウクライナが巻き返しつつあるから、支援を続ければ、停戦・和平にもち込めるという論理構成が必要とされている。なお、ドナルド・トランプ大統領は本当に戦争の終結を求めているから、戦争継続派ではない。ゆえに、欧州諸国という西側とは、米国の立場は異なっている。
ここでは、まず、欧州の政治指導者がこの情報キャンペーンにどうかかわっているかを紹介したい。ついで、マスメディアがどのような偏向報道を広げているかについて論じる。
ゼレンスキーの公開書簡
6月4日、ゼレンスキーは、プーチンが否が応でも記者に応答せざるをえなくなるサンクトペテルブルク国際経済フォーラム(6月3~6日、プーチン出席の全体会議は5日)を前に、公開書簡という形式でプーチンに書簡を送ったことを思い出してほしい。そこでのプーチンの否定的態度を材料に、7日にゼレンスキーと英独仏首脳がロンドンで、今後の欧州の安全保障の方針を確認し、G7やNATOの首脳会議にもち込もうとしたのだ。
まず、ゼレンスキーの公開書簡を紹介したい。書簡はプーチン宛てと称して、ウクライナ国民に宛てたものであり、騙されつづけている「西側」の大多数に向けたものであるとみなすことができる。なぜなら、プーチンを怒らせるだけの内容をあえて公開書簡としたゼレンスキーの狙いは真剣に和平を求めるといった内容ではなく、前述したように戦争継続のための環境づくりのためだけに仕組まれたものだからだ。
「昨日、私は5月のウクライナ戦線における貴軍の人員損失に関する報告書を受け取りました。これによると、ロシア兵の死傷者は再び3万人を超えています。我々は毎月、まさにこの数字を把握しており、貴軍の損失の一つひとつについて映像による裏付けがあります」という記述は、まさにウクライナ国民向けのPRと言えるだろう。
書簡には、「戦争はもう十分です」、「ウクライナは、この戦争を終結させることを提案します」、「私は、あなた方に会談を提案します」、「私は、会談の明確な日程を決定することを提案します」といった文章が登場する。だが、そのためにウクライナが譲歩する提案は見当たらない。要するに、まったく誠意の欠片もない書簡を公開することで、自分は停戦を求めていると、世界中にアピールしているわけだ。
パシニャンとゼレンスキーの比較
ここで声を大にして指摘しておきたいことがある。それは、6月7日のアルメニア議会選で何とか政権を維持したニコル・パシニャンとゼレンスキーとの違いである。前者は、平和のために誠実に努力する政治家であり、後者は口先だけの強欲なユダヤ系政治屋だ。
2022年にアゼルバイジャンがアルメニア国内の拠点を攻撃し、翌年にナゴルノ・カラバフを占領した際、モスクワが支援に動かないまま、結局、アルメニアは同地を失った。パシニャン首相の面目は丸つぶれとなり、ロシアとともに批判の矢面に立たされたが、彼は現実を受け入れ、アゼルバイジャンやトルコを含む近隣諸国との平和、関係正常化および西側諸国との連携への転換へと敢然として舵を切る。いわば、国内にいるナショナリストによる暴力を恐れず、平和のために何ができるかを考え抜いた結果であった。
2025年6月、パシニャンはトルコへの初の公式訪問となるイスタンブールでの画期的なサミットにおいて、アルメニアが1915年のアルメニア人虐殺の国際的な認定を求める運動を一時停止すると発表する。これは、トルコとの平和と関係正常化に向けた現実的な一歩として提示されたものであった。地域平和を達成するために歴史的な怨恨を脇に置く意思の表れであり、大きな批判を惹き起こした一方で、平和のための譲歩を明確に示したのだ。
このパシニャンの英断は、国内の狂信主義者による暗殺を含む生命の危険があってもなお、平和を希求する真摯な想いからなされたと信じたい。議会選のなかで、パシニャンは、平和なアルメニアを実現するというビジョンと、それによってもたらされる経済的・安全保障上の利益を訴えた。平和には、数十年にわたりアルメニアとの国境を閉ざしてきたアゼルバイジャンやトルコとの関係正常化も含まれており、この彼の姿勢が国民に支持されたからこそ、パシニャンの政党「市民契約」は有権者の49.81%の票を獲得できた。
パシニャンのケースをウクライナに当てはめてみよう。彼の決断はまるで、「ドンバス地方のロシアへの割譲は戦争を一刻も早く停止するためのやむをえない」と言うのと似ている。そう発言すれば、ウクライナの過激なナショナリストを激怒させ、命を狙われるかもしれない。「平和のためにロシアとの和解が不可欠であり、そのために歴史的な遺恨を何とか乗り越えるための譲歩が必要だ」と語れないゼレンスキーはただ、欧州諸国に軍事・財政支援を求めるだけなのだ。政治家の品格の差にしっかりと気づいてほしい。
人気のない三人の政治指導者:スターマー、マクロン、メルツ
こんな情けないゼレンスキーと6月7日にロンドンで会談したのは、英国のキア・スターマー首相、フランスのエマニュエル・マクロン大統領、ドイツのフリードリヒ・メルツ首相である。4人が発表した共同声明の説明に入る前に、スターマー、マクロン、メルツの不人気ぶりについてふれておきたい。スターマーの支持率は下図からわかるように、絶望的に低い。6月11日には、英国のジョン・ヒーリー国防相が辞任した。スターマーが軍への投資を十分に行わず、危険な世界において自国を守るために必要な水準を大きく下回った状態にしてしまったと非難して退いたのだ。こんな状況だから、いまではもっと支持率がひくくなっているはずだ。
英国、スターマー首相に対する支持率と不支持率の推移(%)
(出所)https://www.politico.eu/europe-poll-of-polls/united-kingdom/
マクロンも状況はスターマー以上に悪い。8割近い人がマクロンを不支持である状況にあるからだ。
フランス、マクロン大統領に対する支持率と不支持率の推移(%)
(出所)https://www.politico.eu/europe-poll-of-polls/france/
メルツの場合、前述と同じ「ポリティコ」の調査には、支持率の推移が含まれていないので、別の調査結果によると、支持と不支持がほぼ拮抗している。ただし、政党別支持率の推移からわかるように、もはやメルツを支える「キリスト教民主同盟」(CDU)と「キリスト教社会同盟」(CSU)に対する支持率は「ドイツのための選択肢」(AfD)を6ポイントも下回っている。少なくとも、直近時点では、メルツが行う外交など、国民の大多数からは見放されているのではないかと疑いたくなる。
ドイツ、メルツ首相に対する支持率と不支持率の推移(%)
(出所)https://uspollingdata.com/germany/
ドイツ、政党別の支持率の推移(%)
(出所)https://www.politico.eu/europe-poll-of-polls/germany/
こんな三人であっても、彼らはウクライナ戦争の継続で一致し、ゼレンスキーへの支援の姿勢を変えていない(下の写真を参照)。
ゼレンスキーと「ユーロトロイカ」3人(スターマー、メルツ、マクロン)
(出所)https://strana.news/news/507064-zachem-evropa-pytaetsja-vovlech-ssha-i-rf-v-novye-perehovory.html
共同声明のバカらしさ
この4人による共同声明は、「エヴィアンでのG7サミットおよびアンカラでのNATOサミットを、ウクライナの優先的なニーズに基づき、同国へのさらなる支援を最適に調整する場として活用する方法について協議した」とのべている。さらに、「首脳らは、2026年6月4日付のロシア連邦大統領宛て書簡に示された通り、外交的手段による戦争終結を求めるゼレンスキー大統領の呼びかけを称賛した」とも書かれている。前述したように、書簡を含めて、重要な二つの会議を前にして、4人は戦争継続派として世界中をどう情報操作するかについて以前から意見をすり合わせてきた証拠と言えるだろう。
その結果として、(1)ロシアの戦争経済へのさらなる圧力や、NATOサミットにおけるウクライナへの軍事・防衛支援の増額、(2)迎撃ミサイルの生産拡大、弾道ミサイル防衛能力および深部攻撃能力の共同開発、(3)ウクライナ軍の将来の持続可能性への支援が緊急に必要である――といった確認によって、ウクライナ戦争の継続に合意したことを間接に認めている。そのうえで、首脳らは、ロシアとの交渉について、公正かつ永続的な平和を実現するために必要な条件として以下の五つを提示したと書かれている。
(1)戦闘の停止である。首脳らはプーチン大統領に対し、即時かつ完全な停戦に合意するよう求めた。
(2)現在の接触線を交渉の出発点とする。国際国境は武力によって変更されてはならず、自らの安全保障体制や同盟を選択するウクライナの主権的権利は完全に尊重されなければならない。
(3)停戦が発効した時点で、ウクライナは、2025年12月のベルリンおよび2026年1月のパリでなされた約束に基づき、強固かつ法的拘束力のある安全保障の保証を確保しなければならない。これには、「ウクライナ多国籍軍」の展開も含まれる。
(4)ロシアが侵略戦争を停止し、戦争によって生じた損害についてウクライナに賠償を行うまで、ロシアの資産は凍結されたままとなる。
(5)いかなる合意においても、欧州の安全保障上の利益が守られなければならない。欧州連合(EU)およびNATOに関連する交渉事項については、それぞれEUおよびその加盟国、ならびにNATO加盟国の同意が必要となる。
欧州の軍事化路線
(1)は、戦争継続を望む欧州側が、プーチンが受け入れないことを承知のうえで、主張しつづけてきたものだ。ただ、(2)によって、その停戦を「現在の接触戦」を交渉の出発点とするもロシアは反対してきたが、万が一、プーチンがこれを認めてしまうと困るので、(3)において、プーチンが断固として反対してきた「ウクライナ多国籍軍」の展開を条件に加えて、プーチンが100%拒否する内容にしたことになる。
この条件を追加した背後には、4人の悪知恵が働いている。そもそも、英仏独ともにウクライナに軍を派遣するつもりなどないからだ。たとえこの3国が派遣を決めたとしても、国内の猛反発を受け、すでに支持率の低迷する三人は政権基盤そのものを失いかねない。西側諸国の軍事派遣は通常、国連安保理決議が必要だが、これはロシアによって100%阻止されるだろうから、ありえないし、交戦当事国の一つであるロシアの同意なしには、前線での戦闘行動が凍結された後であっても、欧州軍がウクライナに派遣される可能性はほぼゼロに近い(なぜなら、いつ「凍結解除」が起きるか分からず、そうなれば欧州軍は核保有国であるロシアとの戦争に直接巻き込まれることになるからである)。
もちろん、(4)もまたプーチンは拒否するだろう。(5)は安全保障におけるEUとNATOの重複を材料に二つの機関の合意をもち出す「あざとい」条件と言えるだろう。
マスメディアによる情報操作
戦争継続派は、戦争の情勢がウクライナに有利に転換したという情報キャンペーンを展開し、ウクライナ支援の継続を正当化しようとしている。ウクライナ軍はロシア軍の攻勢を食い止め(一部地域を奪還さえした)、長距離攻撃においてロシアを凌駕し、石油産業に甚大な損害を与え、さらに、ロシア軍の後方支援を麻痺させることができた喧伝されている(この典型的情報が6月9日付のThe Economistに掲載された記事である。たとえば、「監視団体「武力紛争地点・事象データプロジェクト(ACLED)」が収集した、国境から少なくとも100km離れた標的に対するウクライナの攻撃1289件のデータを分析した。2022年から2024年末までに、この定義に該当する攻撃は335件だった。2025年、ウクライナは658件の同様の攻撃を実行した。これは、過去3年間の合計のほぼ2倍に相当する。今年のペースが続けば、ウクライナは800件以上の深部攻撃を実行する見込みだ」とある)。ゆえに、ロシアは過去3年間でもっとも不利な立場にあるのだから、「アンカレッジ条件」(ドンバスからのウクライナ軍の撤退など)という自らの立場から後退し、ウクライナや欧州諸国が提案する和平案を受け入れるべきだというものだ。
ロンドンの王立防衛研究所(RUSI)において、陸上戦担当の上級研究員を務めているジャック・ワトリングは6月1日付で『フォーリン・アフェアーズ』に寄稿し、文頭に、“The war in Ukraine has reached a turning point”( ウクライナでの戦争は転換点に達した)と書いた。「要するに、ロシア軍は計画を軍事作戦へと展開することがますます困難になっており、それに伴い攻撃力も弱まっている」というのである。
最後の段落で、「戦争が成功裏に終結する見通しは依然として不透明だが、それは今や現実的な可能性となっている」と書き、「その可能性を高めるためには、キーウが軍の改革と再編を完遂し、防衛体制の強化を継続する必要がある」としたうえで、「ウクライナの国際的なパートナー諸国は、ウクライナへの武器供与を継続し、クレムリンに対して経済制裁を課すことで、ロシアに対し十分な圧力をかけつづけなければならない」とのべている。まさに、G7サミットとNATOサミットを前に、「転換点」にある戦争をウクライナ支援の継続で実のあるものにしようと訴えている。
なお、9月にインド開催予定のG20には、ウクライナはそもそも招待すらされていない。いわゆる「グローバルサウス」からみると、ウクライナは西側による軍事支援によって代理戦争をしているだけであり、それによってウクライナはもちろん、西側の軍産複合体を潤しているのであって、そんな国はG20全体からみると特別の配慮の対象たりえないのだ。
2027年こそ正念場
フランスでは、2027年4月、大統領選が実施される予定だ。国民連合のジョーダン・バルデラないしマリーヌ・ルペンが大統領に選出されれば、フランスのウクライナへの軍事支援縮小は確実だろう。こうなると、フランスがNATO・EUの対ロシア政策に 距離を置く可能性が高まる。マクロンのこれまでの安全保障政策全体が瓦解してしまいかねない。
不人気のメルツはどうなるだろうか。2027年には、ドイツ連邦議会選がある。メルツのひどさは国連でもすでに実証済みだ。6月3日、国連での選挙の結果、ドイツはポルトガルとオーストリアに敗れて国連安全保障理事会の議席を獲得できなかった。国連総会での無記名投票の結果、欧州枠はポルトガル(134票)とオーストリア(131票)に割り当てられたのである。ドイツに投票したのは、出席者104人のみだった。先に紹介した世論調査結果でもっとも高い支持を集めている「ドイツのための選択肢」(AfD)は、この投票結果を「恥」と呼んだ。
AfDは「ロシアとの平和を提唱する」こと、そしてロシア産ガスを購入することを公約に掲げている(The Economistを参照)。つまり、AfDが議会で第一党となり、政権を奪取すれば、メルツの安全保障政策は180度転換するだろう。AfDが首相を出せなくとも、第一党として大きな影響力をもつようになれば、メルツの政策は後退を余儀なくされるのではないか。
国民の支持を失いかけた政治指導者によるウクライナ戦争を継続しようという大芝居の裏側を知ってもなお、彼らの主張を支持できるだろうか。どうか、情報操作にだまされないでほしい。



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