高知市のバカさ加減:「いい加減にしろ」、ワクチン接種で

河野太郎をはじめとする世襲政治家や中央・地方の公務員の「想像力の委縮」の結果、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン接種で大混乱に日本中が大混乱に陥っている。

この問題については、論座にアップロードした拙稿「ドイツが教える日本で予想されるワクチンをめぐる不正と混乱」(https://webronza.asahi.com/politics/articles/2021042200010.html)や「ワクチン接種をめぐる「想像力の萎縮」という病」(https://webronza.asahi.com/politics/articles/2021051400003.html)で詳しく論じた。ここでは、その後わかったことを紹介し、怒りを込めて、日本のバカさ加減を糾弾しておきたい。

 

「悪い奴ら」がのさばる日本

『週刊文春』(2021年5月27日号)によると、「勘定奉行」のCMで知られる「オービック」会長夫妻は千葉県にある亀田総合病院で、ワクチン接種をしていた事実を報道した。二人が住む東京都大田区で高齢者向けワクチン接種がはじまる1カ月ほど前のことだった。「実は、亀田病院の医療従事者向けに確保されたワクチンを利用したのです」と、報じられている。

すでに不買運動まで起きているスギ薬局の「悪事」はつとに有名だが、オービックについても不買運動に値する「悪事」を行っていたことになる。

それだけではない。『文春』には、59歳でありながら、4月30日にワクチンを優先接種した埼玉県ふじみ野市の高畑博市長の話が載っている。しかも、夫人まで接種していたのだという。こんな「悪い奴ら」を捨ておくとすれば、日本の「道徳的明快さ」は地に堕ちることになるだろう。

茨城県結城市の県議も施設従業員の枠でワクチンを接種した。米国では、2020年12月、ニューヨークのクオモニューヨーク州知事が優先順位を無視した場合、最大100万ドルの罰金を科すと表明した。同じことがなぜ日本ではできないのか。

まったく想像力に欠けた政治家、公務員、マスコミ関係者などの力が働かないから、「悪い奴ら」がのさばる状況が生まれてしまっている。NHKはこうした深刻な事態を十分に報道しない。河野も具体的な対応策や懲罰について黙して語らない。

それは、100回以上、国会で虚偽答弁を繰り返しながら、何の責任もとらない安倍晋三がいまでも偉そうにしていることの結果と言えるかもしれない。このサイトでは、安倍をDishonest Abeと何度も揶揄してきたが、この指摘は100%正しいし、これからもつづけてゆくしかあるまい。

 

どうしたこうもバカなのか

2021年5月23日付の「高知新聞」は、つぎのような前文ではじまる記事を社会面トップに据えている。

「高知市の高齢者向け新型コロナウイルスワクチン接種は、23日で予約開始から1カ月となる。予約の殺到でシステムがパンクした初日を経て、市は電話回線の増設などで改善を図ってきたが、電話のつながりにくい状況は続き、不満を募らせる市民は少なくない。」

さらに、その実情について、つぎのように説明している。

「市は初日の混乱を受け、予約を受け付ける電話の改選を14から40に増設。さらに現在、10回線の追加工事を進めている。「これ以上は、財政的にもコールセンターのスペース的にも厳しい」(地域保健課)という。

 ただ、少々の増設では焼け石に水なのが実情だ。4月30日には1日に51万件の電話がかかり、うちコールセンターにつながったのは2400件、接続率は0.5%だった。直近の5月17日も28万件の電話があり、つながったのは1.3%にすぎない。毎週月曜日に新たな予約枠を設けているものの、毎回わずか3時間ほどで埋まっている。」

こんなひどい状態を生み出した責任の一端はもちろん、政府にある。菅義偉首相のワクチン供給への出遅れ、その取り巻きどもの愚鈍さ、河野に代表される世襲政治家の無能がこうした事態を生み出した要因になっている。だが、具体的なワクチン接種方法をめぐっては、自治体の首長や公務員の責任はきわめて重大だ。すでに、「論座」の拙稿でも指摘しておいたように、無作為抽出によって接種券を送るグループ分けをするといった工夫をすれば、こんな混乱は起こらなかっただろう。

どうしてこうもバカばかりが公務員をやっているのか。こんなバカばかりだから、ろくな住民サービスもできずにいるのだ。こんなバカばかりだから、何の責任もとらないまま、「赤信号みんなで渡れば怖くない」とでも思っているのだろう。やりきれない憤りを感じる。

それにしても、こうした事態が十分に予想されたにもかかわらず、謝罪して終わりというのはいかがなものか。市長以下、市の幹部職員は全員、2割の報酬カット3カ月くらいの罰金があっても当然だろう。

 

「ニッポンの洗濯」の必要性

坂本龍馬は姉乙女宛の手紙のなかで、「日本(ニッポン)を今一度せんたくいたし申候事ニいたすべくとの神願ニて候」と書いたことはあまりにも有名だ。本当にニッポンを洗濯しなければならない。

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塩原 俊彦

(21世紀龍馬会代表)

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