一般社団法人日本新聞協会の「インターネットと選挙報道をめぐる声明」にみるバカ者たちのバカさ加減

2025年6月12日、一般社団法人日本新聞協会は「インターネットと選挙報道をめぐる声明」を公表した。バカそのものの声明である。こんなバカが日本全体をより無知蒙昧にしていると指摘したい。

 

バカ1

声明には、「近年のインターネット空間では、偽情報や真偽不明の情報、暴力的な情報も流通し、生成AIによって情報を作成すること自体が一層容易になっている」という記述がある。第一に、偽情報の定義がない。何度も書いてきたように、「ディスインフォメーション」の訳語として、「偽情報」を使用しているのであれば、それはまったくの誤訳である。

偽情報のあとに、真偽不明の情報とあるが、この情報にも定義がない。そもそも、「真」が何を意味するかを決めることはできない。そうであるならば、「偽」も一意に決められない。つまり、偽情報も真偽不明の情報も、もともと真偽がはっきり決められないのだ。

暴力的情報についても、定義がまったく不明確である。したがって、何が暴力的情報なのか、理解できない。

 

バカ2

声明の最後の段落に、「事実に立脚した報道により民主主義の維持発展に貢献することは、報道機関の責務である」とある。「事実に立脚した報道」を行ってこなかったし、いまも行っていないことへの反省の弁はない。ジャニー喜多川事件にしても、日航機撃墜事件にしても、事実に立脚した報道とやらをいつ、どう行ったのか。報道しないことで、得をしたのは、自民党であったのではないか。

「当協会の加盟各社は統一見解を念頭に、インターネットを取り巻く現状を踏まえて選挙報道の在り方を足元から見直し、国際的なファクトチェックの手法なども参照しながら、有権者の判断に資する確かな情報を提供する報道を積極的に展開していくことを確認する」というのが最後の文章である。

新聞協会の面々は、「国際的なファクトチェックの手法」がいかに問題含みであったかを知っているのか。そもそも、この書き方は、ファクトチェックの積極展開を前提としているように読める。だが、ファクトチェックをどんな主体が行うというのか。その基準はどうするのか。はじめから、「ファクトチェックありき」という議論はおかしい。新聞自体が嘘八百を書き、それをまったく糺せなかったことが頻繁にある。こんな連中にそもそもファクトチェックなどできるのか。片腹痛い話である。

拙著『プーチン3.0』や『ウクライナ3.0』に書いたように、日経新聞の二人の編集委員は、2008年8月のグルジア(現ジョージア)による戦争勃発をロシアが戦争をはじめたかのように新聞に書いた。しかし、彼らはその誤りを訂正すらしていない。こんな新聞社にファクトチェックなどできるわけがないのだ。同じ誤りをNHKもTBSもしている。彼らも訂正していない。こんな不誠実な連中が偉そうにしていること自体、まったくおかしいのである。

 

拙著『ネオ・トランプ革命の深層』

こうしたバカどもにぜひ読んでほしいと思うのは、拙著『ネオ・トランプ革命の深層』である。その「第八章 リベラルデモクラシーという「仮面」」において、全米民主主義基金(NED)がいかにおかしなことをしてきたかという話を紹介しておいた。こんな組織だからこそ、ドナルド・トランプ大統領はNEDを潰そうとしているのである。

そのなかで、2023年2月、「国務省は、保守派メディアを秘密裏にブラックリスト化し、その資金源を断とうとしている資金力のある「ディスインフォメーション」追跡グループに資金を提供しており、そのせいでニュース報道機関は重要な広告収入を失う可能性が高いことが、ワシントン・エグザミナー紙の確認により明らかになった」という記事が報じられたという話を紹介しておいた。

解説しよう。英国の出版社『UnHerd』編集長フレディ・セイヤーズが書いた、「「ディスインフォメーションとの闘い」はいかにして政治的検閲に変わるのか?」という記事が参考になる。この記事では、まず、米国務省や英国、ドイツ、欧州連合(EU)政府から資金提供を受けている「グローバル・ディスインフォメーション・インデックス」(GDI)なる組織およびその指標についてUnHerdが調査した結果が語られている。その結果、GDIが、きわめて恣意的な根拠に基づいてニュース出版物のブラックリストを作成し、それをオンライン広告取引所が参照し、広告収入の停止を正当化するために利用していることが明らかになったというのである。GDIは間接的に政府の意向のもとに検閲を行い、それを、情報発信者への圧力になるように「広告収入減の脅し」に活用しているというのだ。

GDIは、ディスインフォメーションに関する10の「最も危険な」ニュース発信源として、「ニューヨーク・ポスト」(New York Post)などを特定した。これらの報道機関に広告を出さないように誘導しようというのである。つまり、政府がGDIを支援しているとすれば、それは政府による間接的な「検閲」を意味する。

先に紹介した「ワシントン・エグザミナー」は、「2020年には、NEDはGDIのグループであるAN Foundationに23万ドルを助成した」と書いている。それだけではない。GDIは、国務省のグローバル・エンゲージメント・センター(GEC)を通じて、機密扱いで廃止されたプラットフォームであるディスインフォ・クラウド(Disinfo Cloud)から資金を受け取っていることも明らかにしている。国務省によると、ディスインフォ・クラウドは2018年から2021年にかけて、議会および国防総省、エネルギー省、財務省、連邦捜査局(FBI)など10以上の連邦政府機関によって使用されていた。

拙著『ネオ・トランプ革命の深層』では、もう一つ別のスキャンダルも紹介している。興味をもった読者は拙著を読んでほしい。

いずれにしても、ディスインフォメーションを糺すこと、すなわち、ファクトチェックを理由にして、良からぬことが実際に米国で行われてきた。つまり、日本でも同じことが起こる可能性が高い(この問題は、「連載 知られざる地政学」において何度も記事にしてきたから、ぜひ読んでみてほしい)。そうであるならば、安易にファクトチェックをすべきだとする議論に承服することはできない。もっと真剣に、公開の場で、その是非を検討すると同時に、バカなオールドメディアを含む権力によるファクトチェックの濫用、すなわち検閲を防ぐための防止策についても具体的に策定しなければならない。

どうだろうか。新聞協会といったバカ者たちの巣窟は、まったく無知蒙昧そのものではないか。もっと勉強しろや!

 

 

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塩原 俊彦

(21世紀龍馬会代表)

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