「ナポレオン=ゼレンスキーは間もなく消える」:ミンディッチ事件をめぐって
ウクライナのオリガルヒ(寡頭資本家)で拘留中のイーホル・コロモイスキーは2025年11月15日、法廷で、「ナポレオン=ゼレンスキーは間もなく消える」とのべたという。「ストラナー」の報道による。
おそらくこの予言は正しいかもしれない。なぜなら、11月10日以降に明らかになったゼレンスキーの側近、ティムール・ミンディッチをめぐる腐敗に絡んで、その首謀者たるゼレンスキーが糾弾される日が訪れる可能性があるからだ。
この事件については、近く「現代ビジネス」および「知られざる地政学」(連載118)において論じる予定である。
思い出すべきハーシュの記事
ここで思い出すべきなのは、著名なジャーナリスト、シーモア・ハーシュが自分の運営するサイトで7月19日になって、「ゼレンスキーの終わり? ワシントンはウクライナ大統領の退陣を望んでいるが、それは実現するのか?」という記事を公開したという話である。これについては、過去に紹介しておいた(たとえば、拙稿「これがウクライナの「現実」…ゼレンスキー大統領追放のカウントダウンが始まった!」を参照)。
その記事で、ハーシュは、「ドナルド・トランプ大統領が決断すれば、ゼレンスキーは国外追放の候補に挙がっている」というのだ。さらにつづけて、ハーシュはつぎのように書いている。
「もしゼレンスキーがオフィスを去ることを拒否すれば、おそらくそうなるだろうが、ある米政府関係者は私にこう言った:「彼は力ずくで追放されるだろう。ボールは彼のコートにある」」。
重要なのは、ハーシュのつぎの指摘である。「ワシントンとウクライナには、エスカレートするロシアとの空中戦を、プーチン大統領との和解のチャンスがあるうちに、すぐに終わらせなければならないと考えている人が大勢いる」というのがそれである。その一人がトランプであり、迅速な停戦・和平を実現するうえで、ゼレンスキーが「邪魔者」であることが広く認識されていることになる。
「ゼレンスキー排除」への道
コロモイスキーとハーシュの予言を併せて考えると、「ゼレンスキー排除」は時間の問題なのかもしれない。しかし、そのためには、不誠実なオールドメディアが猛省し、ゼレンスキーの卑劣さ、悪辣さ、独裁について、明確に報道する必要がある。
今回のミンディッチ事件にしても、ゼレンスキーはすでに彼および彼の周辺にいた人物を逮捕・起訴する姿勢をみせて、自分とミンディッチの関係については隠蔽しようとしている。しかも、ミンディッチについては、ポーランド経由でイスラエルに拘束前に逃亡させて、ミンディッチとゼレンスキーとの直接の関係が明るみに出ないように手を打った。
一説には、この逃亡の背後には、SAPのアンドリー・シニューク副代表がいるとの説がある(「ウクライナ・プラウダ」を参照)。実は、ゼレンスキーらは、SAPのトップであるオレクサンドル・クリメンコを職務停止に追い込んで、その職務を彼の副官であるシニュークにさせる計画であったみられている。こうすることで、ゼレンスキー政権幹部への立件を潰そうとしていたのである。
日本のオールドメディアの不誠実
ただ、今回の事件の場合、NYTは、11月10日付で「汚職調査がウクライナ政府を揺るがす」、11月14日付で「ゼレンスキー大統領のイメージは汚れた」を公表し、及び腰ながら、ゼレンスキーを明確に批判する姿勢を示している。WPも11日付で「ウクライナ、エネルギー分野の腐敗調査を発表 高官らを標的に」、14日付で「ゼレンスキー氏に近い汚職調査、ウクライナ支援を巡るEUの懸念を煽る」を公開した。いずれも、私のように、ゼレンスキーそのものを名指しして批判してはいないが、それもゼレンスキー政権が「薄汚れている」事実を確実に報道している。
これに対して、日本のオールドメディアはそもそもほとんど報道していない。報道しても、部分的であり、多くの読者は何が起きているのか、真相を理解できないであろう。
例によって、無視することで、ゼレンスキーを庇おうとしているようにみえる。どうか、読者にあっては、近く公表する私の記事を含めて、広く拡散してほしい。ゼレンスキーの悪辣非道さを喧伝しなければ、ウクライナ戦争は終結に向かいそうもないからである。



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