Lock Abe up!:「桜を見る会」事件で

Lock Abe up!:「桜を見る会」事件で

ドナルド・トランプ大統領は2019年10月27日、首都ワシントンで行われた米大リーグのワールドシリーズ第五戦を観戦、大画面に大統領の姿が映し出されると、観客は“Lock him up!”の言葉を浴びせました(https://www.youtube.com/watch?v=DR4WxNQO9EA)。「奴をムショにぶち込め!」というわけです。この出来事に触発されたわたしはいま、米国民と同じノリで、“Lock Abe up!”と言いたいと思います。

安倍晋三首相は公職選挙法および選挙資金規正法の違反で起訴されるべきです。同時に、下関市の安倍系市議も同じです。いずれも、「何人も後援団体の総会その他の集会又は後援団体が行う見学、旅行その他の行事において選挙区内にある者に対し、饗応接待をし、又は金銭若しくは記念品その他の物品を供与してはならない」という公職選挙法(199条の5の2)に違反している疑いがきわめて濃厚だからです。まったく反省がみられないどころか、証拠隠滅を行っている可能性が高いので、首相といえども“Lock Abe up!”と叫びたくなるというわけです。

2015年に東京地検特捜部は小渕優子・元経済産業相の立件を見送り、まったく法律を無視した腰砕けに終わってしまいました。彼女の金庫番とされる折田謙一郎・前群馬県中之条町長ら元秘書2名が政治資金規正法違反(虚偽記載)で在宅起訴されるにとどまりました。こんなバカなことをしているから、「法律に違反してもどうせ罪には問われない」というムードが醸成されてしまうのです。この事件では、小渕氏の事務所が疑惑を報道された直後にパソコンのハードディスクをドリルで破壊し、証拠隠滅を計っていたことがわかっています。この結果、小渕本人を公職選挙法違反に問い、公職停止に追い込めなかったと言われています。

今回、内閣府の役人がまったく同じことをしています。国会で共産党の議員がこの問題を取り上げることを知った5月、「桜を見る会」の招待者リストを廃棄したというのがそれです。今度は、内閣府の公務員が公職選挙法違反の証拠を意図的に隠滅したわけです。

この悪辣さからみれば、関係者全員について、“Lock them up!”と叫びたくなる国民が増えてほしいと思います。#Lock Abe up!を全国民運動にしてほしいと願っています。

1997年7月、国際交流協会主催で実施された「中央アジア4カ国視察」で団長を務めていた小渕恵三自民党副総裁(当時)をわたしは怒鳴りつけたことがあります。朝日新聞のモスクワ特派員だったわたしはこの視察に参加していたのですが、小渕のふがいなさを面と向かって罵倒したことがあります。まあ、詳しい事情はもう忘れてしまいましたが、親が親なら子も同じですね。そして、親の票田を譲り受けた優子はバカな選挙民に支えられつづけているわけです。

 

もっとも悪辣なのは国民?

はっきり言って、国民がもっとも悪辣なのかもしれません。小渕は2014年に大臣を辞職後、結局、公職停止にならなかったために、その後も選挙で再選を重ねています。つまり、法律違反を証拠隠滅で逃れた「犯人」が野放しにされて、それを国民が支持しているという図式が成り立ちます。拙著『なぜ「官僚」は腐敗するのか』(潮出版社)でも指摘したように、「目を刺している形」を表す「民」は本来、奴隷のような人間を意味しているのであり、日本の「国民」はまさに為政者によって騙されたまま、唯々諾々としているのです(148~149頁)。

こんな状況を打破するには、検察にきちんと「法の番人」として仕事をしてほしいのですが、彼らは為政者と癒着し、まともな仕事をしていません。日本の検察は「へたれ」になっています。

 

税金泥棒をLock upせよ

安倍晋三が「税金泥棒」であることは確実です。残念ながら、税金泥棒はまだまだいっぱいいます。「桜を見る会」事件の余波で、ホテル・ニューオータニで開催された前原誠司の公共後援会の領収書が偽造されていた疑いが明らかになりました。ここでも、嘘をついて税金から拠出されている資金を誤魔化して盗んでいた可能性が濃厚です。

関西電力の役員らが福井県高浜町の森山栄治元助役(故人)から金品を受領した問題で、福井県の設置した調査委員会は、調査した県幹部ら313人のうち、109人が金品を森山らから受け取っていたことが11月21日に発表されました。そのうち29人が儀礼の範囲を超えており、商品券10万円と純金小判(10万円相当)1枚の計20万円相当を受け取った職員さえいました。税金や電気料金を含む、公的資金である「原発マネー」の一部が還流されていたことになります。「税金ドロボー」と断罪されるべき犯罪者である可能性がきわめて高いのです。

他方で、森山の関連会社が自民党の稲田朋美幹事長代行、世耕弘成参院幹事長に政治献金をしていたことがわかっています。関西電力などの電力8社と関連会社、日本原子力発電、電気事業連合会は2017年、稲田の政治資金パーティー券を計112万円分購入していたこともわかっています。つまり、稲田や世耕はいわゆる「原発マネー」を食い物にしてきたと考えられるのです。彼らも、いわば、「泥棒」ですね。「泥棒政治家」は「クレプトクラート」と呼ばれています。世界はいま、クレプトクラートを厳しく断罪する傾向にあります。もちろん、安倍もまたクレプトクラートであり、“Lock Abe up!”なのです。

こうした現実に対して、たぶん国民の多くは知りません。新聞は報道していますが、テレビはまとまって「税金泥棒」たちを詳細に紹介しようとしていません。そうなると、検察に期待するしかないわけですが、ここでも検察は仕事をしない。放棄しているようにみえます。

 

批判すべきは批判せよ

わたしは毎週、『週刊文春』を読みつづけています。もう30年以上になります。近年、楽しみにしているコラムの一つに能町みね子の「言葉尻とらえ隊」があります。11月28日号では、三浦瑠麗が批判されています。11月14日、彼女がつぎのようにツイートしたことが紹介されています。

「桜を見る会が中止に。おそらく『国民感情』への配慮。時の権力者が催す宴には『なぜあいつが呼ばれた』になりがち。全ては国民感情次第」

というのがそれです。そのうえで、能町はつぎのように指摘しています。

「つまり、彼女は「国民の嫉妬によって中止された」という意味の推測を書き込み、公職選挙法違反疑惑というキモの部分については完全に無視したわけです。」

この批判は的確です。「バカな国民」の目を意図的にそらそうとする姿勢に憤りを覚えます。不可思議なのは、こんな人物がテレビに登場し、「バカな国民」に対して情報操作しつづけてきたことです。ついでに言っておくと、わたしもときどき執筆している『潮』において、彼女は『世界への扉』なる連載をしています。凡庸な内容なので、わたしは熱心な読者ではありませんが、こんな人物を使うことで「バカの環」が広がってしまうことを恐れます。

もっとひどいのが時事通信社に長く在籍していた田崎史郎でしょう。「桜を見る会」事件が問題化した10月、TBSの番組に出て、「法的には問題はない」と発言し、火消しに躍起になっていました。前回のこのサイトに書いた時点で、わたしはこの「事件」の犯罪性に気づいていました。田崎は平然と嘘をつき、テレビをみている「バカな国民」を騙そうとしたわけです。

こうした人々をはっきりと批判し、彼らの言説に惑わされないようにすべきでしょう。そのためには、何よりも「バカな国民」を減らす必要があります。少しずつ、この「21世紀龍馬会」のサイトを読んでくれるみなさんが増えてほしいとも願っています。

 

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塩原 俊彦

(21世紀龍馬会代表)

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