「国家を疑いなさい」:PCR検査件数による「隠蔽工作」

「国家を疑いなさい」:PCR検査件数による「隠蔽工作」

「「専門家」を疑いなさい」についで、「国家を疑いなさい」と強調したいと思います。なぜなら日本政府はPRC検査件数を少なくすることで新型コロナウイルス感染者数を低くみせかけようとしているからです。

 

まず、安倍を信用するな

はっきり言って、Dishonest Abeたる安倍晋三首相の言説ははじめからまったく信じられません。「先手、先手」と言っていますが、まったく「後手、後手」です。森友・加計学園の問題でも「桜を見る会」の問題でも、国民に「嘘」をつきつづけてきた安倍ですが、今回もまた「大嘘」を平然と吐いています。

それは、台湾と比べればよくわかります。台湾の教育部(教育省)は2020年2月2日の段階で、10日までの予定だった小中高校の旧正月の冬休みを2週間延長して24日まで休校にすると発表しています(https://www.asahi.com/articles/ASN226TZGN22UHBI023.html)。さらに、同月20日、教育部は新型コロナウイルスによる学級閉鎖や休校などの措置に関する基準を発表、高校以下では、教員か生徒1人の感染が確認されたら学級閉鎖とし、2人以上が感染したら休校としました。また、校内で感染者が出た場合、運動会などの大型イベントを中止するべきとの方針も示されたのです(http://japan.cna.com.tw/news/asoc/202002200006.aspx)。

これらの報道から、日本政府の対応がいかに遅きに失しているかがわかるでしょう。こうした遅れの背後には、日本の「専門家」の無能と、そうした「専門家」の無能を批判できないマスメディアの無能があります。PCR検査を行う態勢づくりを軽視し、検査数自体を抑制し、感染者が少なくみせかけることに奔走してきた日本政府の「隠蔽体質」こそ、問題なのです。これはまさに、Dishonest Abeの本領発揮ということになりますが、その結果、日本の国際的信用力は失われ、オリンピック開催など夢のまた夢という事態が差し迫っているように思えます。

 

福岡伸一の興味深い説明

わたしが信頼する福岡伸一は、『週刊文春』(3月5日号)に掲載された阿川佐和子との対談で興味深いことを言っています。紹介しましょう。

 

「福岡 ……話を戻すと、PCR検査はあまりにも鋭敏であるがゆえに、ウイルスが一個か二個あったとしても、原理的には検出される。だから、健康な人に対してこの検査をやったら、なんの症状も現れない人でも陽性反応を示す可能性があります。

阿川 じゃあ、手当たり次第に検査するのはよくないんですか?

福岡 かえって不顕性の感染者を増やしてしまうでしょうね。症状が出ていないということは、免疫力によってウイルスをやっつけてくれているわけですけど、そんな人でも検査で発見されたら、現状は隔離されちゃうわけじゃないですか。」

 

この後、新型コロナウイルスが安定しにくいことが指摘され、突然変異を起こしやすいから、検査キットでひっかからなくなる可能性にまで、福岡は言及しています。

いずれにしても、この福岡の話はわたしにとって初耳でした。不可思議なのは、こうした説明をテレビや新聞で見聞きしたことがないことです。つまり、PCR検査そのものについての説明さえ、しっかりと報道できていないのです。「専門家」と言われる連中がいかに愚かであるかがわかるでしょう。

 

今後の課題

問題は、発症しない段階でも、感染者が撒き散らすウイルスで第二、第三の感染が起きると言われていることです。そうであるならば、発症していないPCR検査で陽性反応を示した人は隔離せざるをえません。それでも、政府がとってきた限定的なPCR検査はあまりにも少なすぎるように思えます。2月29日のTBS「報道特集」を見るかぎり、妊婦へのPCR検査抑止はひどすぎると思います。結局、陰性だったとはいえPCR検査を過度に限定して感染者数を少なくみせるというやり方は姑息すぎます。

陽性であっても発症していない人は比較的緩めの隔離施設に送り、そうでない人はしっかりと治療するといった方法を明確に採用すればいいだけの話だと思います。したがって、福岡のいうPCR検査の現実を多くの国民に知らせたうえで、検査を希望する者全員にすみやなか検査ができるようにすべきでしょう。

今後、もっとも懸念されるのはPCR検査件数の恣意的な隠蔽です。すでに露骨な検査抑制策がとられてきたわけですが、これから検査件数が増えるにつれて、当然、陽性数が急増する可能性があります。そうなると、Dishonest Abeは陽性数を低めに公表するように圧力をかけるだろうと、容易に想像できます。なにしろ、「口頭決裁」なるものをひねり出して、「法の支配」を公然と破るのが安倍政権ですから、陽性者数の「隠蔽」や「改竄」の可能性がきわめて高いと言わざるをえません。

したがって、国会議員は予算委員会のなかで、PRC検査結果の公表の仕方について徹底的にガラス張りにすべく努力しなければなりません。官僚によって恣意的な隠蔽や改竄ができないようなシステムを一刻も早く構築しなければならないのです。

このままでいくと、隠蔽や改竄をやっている日本政府に対する国際批判が高まり、それがオリンピックの延期、さらに中止へとつながってゆくでしょう。そうなれば、日本国民の多くがDishonest Abeの「正体」にようやく気づくのかもしれません。しかし、それでは遅いのです。憲法第26条で保障されている教育を受ける権利を独断で蹂躙する暴挙を行いながら、「先手」だと「嘘」をついている安倍には、一刻も早く退陣してもらわなければなりません。こんなバカが首相でいるために、何人もの人々の命が失われているのですよ。

 

PS 安倍や加藤はPRC検査能力を話題にします。しかし、問題なのはあくまでPCR検査そのものの実施件数にあります。検査能力がありながら、検査が行われていないのはなぜか。この点をもっとしっかり検証すべきでしょう。平然と嘘をつき、公文書を改竄したり廃棄したりしてきた安倍政権および官僚どもへの信頼感は地に堕ちています。せめて心ある政治家がしっかりしてほしい。その意味では、公明党の奮起に期待しています。逆に、新型コロナウイルスを理由に国会休会を求めた「れいわ新選組」の山本太郎代表および参議院議員 木村英子の舩後靖彦は糾弾されるべきでしょう。いまこそ、民主主義を守るために国会議員はDishonest Abeと厳しく対峙すべきなのですよ。山本太郎のバカさ加減に幻滅しています。「もっとしっかりしろよ」と言いたいと思います。

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塩原 俊彦

(21世紀龍馬会代表)

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