「ストップ、ゴキブリ野郎!」、「ストップ、ゴキブリ政治家!」、「ストップ、ゴキブリ政党」、「ストップ、ゴキブリマスコミ」

2024年1月26日、連載「知られざる地政学」【21】として、「「ゴキブリ政治家」を退治せよ」()が公表された。連載【22】として用意していたものを、【21】に早めてもらったものである。

その内容は、倫理観という遵法精神とは異なるものに訴えかけることで、人間としての生きるための道徳や倫理に欠ける政治家どもを「ゴキブリ」にたとえながら、叩き潰す必要性について論じた。

マスメディアの体たらくによって、明確な批判のメッセージがより多くの国民に伝わらないなかで、やや感情的ともいえるスローガンを掲げざるをえなかったことになる。だが、事態は深刻であり、このまま「ゴキブリ政治家」の「悪」をのさばらせたままにしておくと、この国の政治は「ゴキブリ政治」と化し、やがて「ゴキブリ帝国」となるであろう。

 

BS・TBSは褒めたい

日ごろ、マスメディアを批判している私だが、2024年1月26日のBS・TBS「報道1930」の内容は称賛に値する。イタリアとイギリスにおいて、検察当局によって立件された政治家は少なかったものの、捜査対象となった数多くの政治家が立候補断念に追い込まれたり、落選したりしたことについて紹介していた。つまり、人間として生きるための最低限の道徳や倫理の欠如した、あるいは、不足した「ゴキブリ政治家」に鉄槌を下したという話を語っていたことになる。

もちろん、事情は日本と異なっている。イタリアでは政治家と建設業者とのキックバック、イギリスでは政治家による詐欺が問題化したものだ。日本の場合、裏金づくりであり、脱税の可能性が強い。もちろん、政治倫理に違反した「真っ黒」な連中は、「ゴキブリ政治家」そのものである。

強調したいのは、政治倫理に違反した者の罪は重いということだ。にもかかわらず、口先だけの謝罪ですまそうとする動きが広がっているようにみえる。たとえば、同じ時間帯にBSフジは、元秘書官を登場させて話を聞いていた。しかし、「ゴキブリ政治家」と共生してきたような連中に話をさせて、何を視聴者に伝えようとしているのか。問題の本質がまったくわかっていない。

 

「ゴキブリ政党」=「自民党」

自民党をみていると、捜査対象議員が多い安倍派の議員だけを問題視しているようにみえる。彼らは「ゴキブリ政治家」そのものだが、そうしたゴキブリ政治家と同じ政党に属している自民党議員もまた、「ゴキブリ政治家」の「悪」に相当に染まっている。その証拠に、「ゴキブリ政治家」を自民党として処分すらできずにいる。これでは、自民党そのものが「ゴキブリ養成所」、すなわち「ゴキブリ政党」であった証ではないか。

こんな「ゴキブリ」を生かしたままにしておくと、自民党全体が「偽善的で利己的で閉鎖的」であることが国民に知らしめられることになるだろう。まあ、そうなったほうがいいのかもしれないが、少しはまともな「非ゴキブリ政治家」もいるだろうから、どうか自浄作用を働かせてほしい。

 

個人の責任の重さ

連載【21】(上)でも書いたように、日本は組織内部における個人の行動に対する責任追及が生ぬるい。ジャニー喜多川の性加害を知っていたに違い大多数のジャニーズタレントは、「知らなかった」ことを理由に自らの責任を回避している。彼らの起用・利用してきた大企業やマスメディアも同じ逃げ口上ですませている。

日本大学のアメフト部に至っては、違法薬物を使用していた選手が複数いたにもかかわらず、「知らずにいた」という部員をかばう報道があった。同じ寮で寝食をともにしながら、彼らの不法行為に「気づかなかった」とすれば、それ自体に大きな責任があるとなぜ糾弾しないのか。

宝塚歌劇団の問題は、自民党の問題とよく似ている。花、月、雪、星、宙という五つの組は自民党の派閥になぞらえることができるかもしれない。自殺者を出したのは宙組だが、宝塚は、いじめの中心人物とされる宙組の真風涼帆や星風まどか(現花組トップ娘役)に対して処分さえしていない。それどころか、宝塚の演出家や脚本家の不祥事が報じられるなかで、だんまりを決め込んでいる。宝塚という組織全体が「ゴキブリの巣窟」と化しつつあるようにみえる。

自民党も何もしなければ、「ゴキブリ政党」として名をあげるだけだろう。「偽善的で利己的で閉鎖的」な政党として、いくら何でも多くの日本国民は自民党議員を唾棄するようになるだろう。それは、宝塚女優をみて、「菫の花」ではなく「ゴキブリ」を連想させるようになれば、宝塚歌劇団自体が唾棄の対象となるのと同じである。

 

連載【21】「下」も公表されるので、このつづきは次回。

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塩原 俊彦

(21世紀龍馬会代表)

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