米ロ首脳会談報道 愚劣なオールドメディア:NYT、WP、朝日、毎日のひどさを紹介しよう

米ロ首脳会談をめぐる欧米諸国や日本の主要な報道を読んだ。そこで強く感じたのは、いわゆるオールドメディアの愚劣なまでの無反省である。同時に、その分析力のなさに唖然とする。昨日、私は「現代ビジネス」向けに原稿を送っておいたが、はっきり言って、私の原稿の水準に達した分析は世界中に存在しないと自信を深めている。関心のある方は、18日か19日ころには公開される拙稿をぜひ読んでほしい。

 

ロシア側の会談前の譲歩を分析した記事はゼロ!

ここでは、8月17日に読んだ愚劣な記事について書き留めておきたい。まず、NYTの「トランプ、ウクライナ問題でプーチンのアプローチに屈する: 停戦も期限も制裁もなし」という記事を俎上にあげたい。

「大統領は殺戮を止める代わりに、プーチン氏とレッドカーペットや「ビースト」と呼ばれる大統領専用リムジンで歓談している写真をもってアンカレジを後にした」という記述にあるように、Peter Bakerなる記者(ホワイトハウスのチーフだそうだが、NYT記者の質もきわめて低劣だ)は、トランプ大統領を貶めるくだらぬ記述をしている。前述した私の考察に書いたことだが、プーチン大統領は首脳会談前にトランプにいくつかの明確な譲歩をしており、この程度の待遇を受けるのはいわば当然なのだ。つまり、Bakerは、会談前のプーチンの譲歩という事実についてまったく言及していない。Bakerは、「トランプ氏が舞台裏でプーチン氏から、和平合意への道を容易にするような、抜き打ち的な譲歩を確保したかどうかは未知数だ」と書いているのだが、彼は会談前の譲歩については何も語っていない。おそらく、その事実そのものを知らないのではないか。要するに、不勉強極まりないのだ。

後述する愚劣な報道すべてにおいて、プーチンが会談前に行った譲歩について分析した記事は一つもない。いや、私が16日から17日に読んだ50を超える記事・論文のなかで、会談前のプーチンの譲歩について指摘したものはまったく存在しなかった。それは、ロシア語やウクライナ語で書かれた文献についても同じである。要するに、アホあるいはバカだらけなのである。これが、君たちが生きている地球上の「知」の恐るべき実態なのだ。

 

愚劣なNYTの記事

私がNYTの記事を愚劣だと思うのは、2022年春、和平交渉中だったウクライナとロシアとの間に分け入って、ロシアの弱体化のためにウクライナのゼレンスキー大統領に戦争継続を促したボリス・ジョンソン英元首相のコメントをわざわざ紹介している点である。当時のバイデン大統領の意向に合わせるかたちでキーウを電撃訪問したジョンソンの行動はウクライナ戦争が米国や英国、さらにその他のNATO加盟国の「代理戦争」と化す契機となったものであり、ウクライナ戦争の元凶の一人とみなすことができる。こんな人物について、何の説明もなしに、その発言を紹介するというのは、悪意そのものが目立つ最低最悪のやり方なのだ。

記事では、ジョンソンは、アラスカ首脳会談を、「国際外交の汚れた歴史の中で最もゲロを吐きそうなエピソード」と呼んだと説明されている。こんなことを紹介することに、何の意味があるかを考えてほしい。最低最悪の悪意に満ちた記事と言えるだろう。

ただし、NYTの懐が深いのは、こんな記事を公開する一方で、優れた記事もしっかりと報道している点にある。「ロシアはウクライナに対して戦場で優位に立っている」という記事がそれである。記事の最初に、「ロシアはウクライナの戦場において優位な立場から、8月15日に行われた米国との協議に臨んだ」と正しく書いている。この大前提があるからこそ、ロシアにとって停戦自体が「大きな譲歩」になるという視角がえられることになるのだ。ところが、他のNYTの記事やこれから紹介する記事はすべて、この大前提を認めていない。あるいは、大前提そのものを理解していない。ゆえに、それらの主張はすべて間違いなのである。

 

WPのひどさ

WPの「ウクライナ戦争終結に向けたプーチン大統領のアプローチをトランプ大統領が採用したことで、ロシアは勝利を確信」という記事もひどい。たとえば、「プーチンはこれまで、多くの疑問や詳細、微妙なニュアンスが関係するため、交渉には多くの時間が必要だと主張し、戦闘停止に向けた努力を遅らせるために利用してきた」という記述がある。ロシアが優位に立っている以上、この対応は当然である。むしろ、不可思議なのは、敗色濃厚なウクライナが譲歩しない点にある。しかも、欧州諸国は、そんなウクライナを支援して、戦争継続させようと躍起になっている。むしろ、欧州はウクライナのゼレンスキーに対して、「早く停戦しろ、しなければ、支援しない」と脅すべきなのだ。

こうして、ウクライナと欧州諸国はまるでプーチンが停戦しないのが悪いかのような論理を展開して、平然としている。本当は、負けている側が譲歩して、何とか停戦にもち込むよう努力するというのが筋だろう。

WPは、「しかし、厳しい現実として、ロシアはこの戦争をすぐに終わらせるつもりはない」というカヤ・カラス外交担当欧州委員の意見を紹介している。その紹介自体に問題はない。ただ、その意見がいかに間違っているかという指摘あるいはまったく別の意見を紹介しなければ、公正な記事とは言えないだろう。何しろ、すぐに戦争を終わらせるつもりがないのは、ゼレンスキーや欧州政治指導者の側だからだ。彼らは、ウクライナが負けていることを認めず、譲歩することもしない。

前述したように、勝っているロシアにとって、停戦そのものが「大きな譲歩」である以上、ウクライナはそれに見合う譲歩をしなければならない。ただ、「即時停戦」を要求しても、それは現実を見ない敗者の遠吠えにすぎないのだ。そんな態度でいると、かつての日本のように核兵器投下さえ起きるかもしれない。

 

何もわかっていな朝日

「朝日新聞」の社説もひどい。まず、タイトルからして、バカそのものだ。「米ロ首脳会談 侵略者への厚遇に驚く」というのがそれである。ロシアが侵略者であろうとなかろうと、前回このサイトに書いたように、「目に見えて戦争に負けている」ウクライナがなぜ譲歩しないかを論じないのだろうか。

戦争に勝っている側が停戦という「大きな譲歩」をする以上、たとえ侵略された側であっても譲歩しなければ戦争は終わらない。ゆえに、ウクライナに譲歩を促すのは当たり前なのだ。そうしなければ、ますます多くのウクライナ人が死傷し、ますます広大な領土がロシアに占領されてしまう。そもそも、負けている側に戦争をつづけさせるのは殺人幇助であり、決して許されることではないはずだ。

こう考えれば、「侵略者への厚遇に驚く」というのは、朝日が不勉強で、バカであるだけの話なのである。最初に書いたように、私の「現代ビジネス」に載る記事を読めば、会談前にプーチンがトランプに対していくつか譲歩していたことがわかる。つまり、プーチンへの厚遇に見える扱いは、事前の譲歩の効果かもしれないのである。それを知らない朝日新聞はつまらぬことに驚いているにすぎない。無知蒙昧だから驚くだけの話だ。

「この戦争はウクライナのみならず、国際社会にとっても大戦後に目指した「法の支配」による秩序を根底から覆しかねない重大な事態だ」、と社説は書いている。「おいおい」である。たとえば、米国のどこに「法の支配」があるというのだ。あるいは、日本のどこに「法の支配」があるのだ。政府の発表を鵜呑みにして、日航123便撃墜事件を「ファクトチェック」と称して「誤り」と判定するような新聞社にこんな説教をする資格があるのだろうか。そもそも、「目に見えて戦争に負けている」ウクライナの現実を「テレグラフ」のように報道しない朝日新聞にこんな愚劣な社説を掲載する資格そのものがないのである。

 

毎日新聞もバカそのもの

毎日新聞の社説もバカそのものである。「ロシア寄りの交渉姿勢には疑問が残る」と書いているが、戦争を終結させる姿勢に、ウクライナ寄りもロシア寄りもない。朝日新聞と同じように、「停戦の実現に当たっては、「法の支配」に基づくウクライナの領土と主権の回復が最優先されなければならない」とのべているのだが、「目に見えて戦争に負けている」ウクライナである以上、譲歩するのは当たり前なのだ。

私が日本のオールドメディアのバカさ加減に驚いているのは、明らかに「目に見えて戦争に負けていた」日本がなかなか譲歩しなかったために、沖縄戦、本土の無差別空爆、原爆投下を防げなかったという、過去の日本軍の決定的過ちをウクライナに適用して考えていない点にある。日本軍のバカさ加減を顧みれば、いまウクライナが譲歩しようとしないことがいかに大きな過ちであるかは自ずと理解できるだろう。

そうであるならば、無理やりウクライナ国民を戦争に動員する一方で、ウクライナ支援の一部を懐に入れて腐敗しきっているゼレンスキー政権に対して、ロシアに大幅譲歩してでも戦争を止め、和平条約を締結しろとなぜ言えないのだろうか。支援は和平締結後の復興支援として行うと言えばいい。それが、いつまでも譲歩しなかった結果、より多くの民間人を死傷させた日本軍および日本政府の過去の教訓をいかすことになるはずだ。

 

国会議員はしっかり日本政府を批判せよ!

いつまでも大間違いをつづけているオールドメディアの影響は、安易にウクライナを支援しつづけてきた日本政府の失態につながっている。そうであるならば、自由民主党も公明党も立憲民主党も、ウクライナが停戦・和平のために譲歩しないのであれば、支援をいったん停止すると脅すよう、日本政府に要求するべきなのだ。過去の自分たちの過ちを認め、反省したうえで。

たぶん、そんなことは既存政党にはできないだろう。過去の社説の間違いを認めて、猛省できないオールドメディアと同じである。

そうであるならば、どうか参政党に頑張ってほしい。既成政党の大間違いを糺し、ウクライナ支援の一時停止を国会で徹底的に要求すべきだ。それが、過去に日本国が犯した過ちへの猛省につながる。

それにしても、本当にバカで、アホで、マヌケなボンクラが多すぎる。そして、こいつらは何も反省しないまま、駄弁を吐き、だましつづけているのだ。

 

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塩原 俊彦

(21世紀龍馬会代表)

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