毎日新聞の古本陽荘編集局長を批判する:もう自分の偽善に気づけ!

どうして、オールでメディアは自身の偽善に気づかないのだろうか。ロシアによるウクライナへの全面戦争ははじまって4年になるというのに、いまでもウクライナの問題をまったく理解していない者が新聞社の編集局長をやっている。2月28日、毎日新聞の古本陽荘編集局長は、「ウクライナ戦争は私たちの戦争」なる記事を公表した。

そのひどさに唖然とした。「おい、『ウクライナ・ゲート』は読んだか。『ウクライナ2.0』は読んだか。『ウクライナ3.0』や『プーチン3.0』を読んだか。『復讐としてのウクライナ戦争』を読んだか。一般向けの『ウクライナ戦争をどうみるか』くらい読んだか」と聞いてみたい。

 

何も知らないバカか?

この記事には、つぎのような記述がある。

「はっきりしているのは、ウクライナの人は望んで戦争を始めたわけではないということです。そして、ロシアの侵略を認めるような形で戦争が終わった場合、力ずくで領土を奪い取ることが可能であることを証明してしまうことになります。」

この人は、勉強しているのだろうか。まず、「ウクライナの人は望んで戦争を始めたわけではない」という文書には問題がある。2022年2月24日の前に、戦争を望んでいたウクライナ人もいるからだ。あるいは、彼らを支援する米国人もいた。つまり、この記述は不正確である。

「ロシアの侵略を認めるような形で戦争が終わった場合、力ずくで領土を奪い取ることが可能であることを証明してしまうことになります」という記述も、まったく受け入れがたい。なぜなら、ロシアが力ずくで領土を奪い取るようにみえるいまの戦争の前に、2014年2月の段階で、米国が支援するクーデターによって、米国や欧州が民主的に選ばれて大統領だったヴィクトル・ヤヌコヴィッチを追い出した、まさに国全体を奪取した行為の「落とし前」がついていないからである。

ところが、クリミア半島がロシアに併合されてしまったために、この復讐に駆り立てられたヴィクトリア・ヌーランドのことを古本は知っているのだろうか。彼女は、戦争をしたくてたまらなかったはずだ。彼女はユダヤ系アメリカ人だが、彼女の支援を受けていた、過激なウクライナ人もまた、戦争をしたくて手ぐすねを引いていたのだ。

 

スーザン・ライスの役割をご存知か?

採用されるかどうか、まだわからないが、3月3日ころに、「現代ビジネス」編集部に送付予定の拙稿が本日完成した。「トランプ大統領が取締役を辞めさせろと名指ししたのは、ウクライナ危機の元凶」(仮題)というものだ。その元凶とは、スーザン・ライスである。

拙稿で論じているのは、2014年2月20日から23日までの出来事である。

まず、この日の出来事について、まったくの出鱈目を書いている本について紹介している。『ウクライナをしるための65章』という本だ。同書はつぎのように書いている(なお、手元にある2018年10月25日 初版第1刷も2022年5月5日初版第5刷も同じ記述である)。

「筆者の取材拠点だった独立広場を見下すホテルにも銃弾が飛び込んできた。20日、デモ隊が後世に出ると、治安部隊は退却しながら発砲。ホテルのロビーには10体以上の遺体が運び込まれ、傍らで重傷者がうごめいていた。デモ隊の死者は最終的に百人以上に。彼らは「天上の百人」として英雄視されることになる。なお、保健省によれば治安部隊側も二けたの死者を出した。」

筆者は小熊宏尚という共同通信記者だ。この記述を読むと、まるで治安部隊が最初にデモ隊に発砲したように思える。だが、これは現実と食い違っている。真実はまったく逆だ。

この記述がまったく不正確であることは、普通の頭脳をもった専門家にとって「常識」である。それにもかかわらず、長く放置してきた責任は重大だ。この本の編者である服部倫卓と原田義也には猛省を促したい。

 

クーデターと認めない偽善・不誠実

松里公孝東大教授は、2022年5月に公開された研究報告書「ロシアのウクライナ侵攻」の「第1章:ウクライナ危機の起源」において、つぎのように書いている。

「例えば、2014年2月20日には、抗議運動の中心地であったキーウ(キエフ)の独立広場周辺で狙撃による虐殺事件が起き、数十名以上が犠牲となった。この事件はヤヌコヴィチ大統領が国外逃亡するきっかけとなった。抗議運動側にいた勢力が味方を後ろから撃ったという自作自演説が根強い。」

ところが、彼は2月の出来事がクーデターであったと認めない。「お前の目は節穴か」というのが私の率直な想いだ。その理由は拙稿に書いてあるから、それを参考にしてほしい。

 

絶望的な日本

本当に何も知らないバカなのか。それとも知っているのに嘘をついているのか。ウクライナ危機の「真実」について、もっと真摯に向き合ってほしい。そのためには、ともかく「勉強しろよ!」と励ましたい。

 

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塩原 俊彦

(21世紀龍馬会代表)

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