ディスインフォメーション Ⅳ

Disinformation Ⅳ

塩原 俊彦

 

「ディスインフォメーション」を「意図的で不正確な情報」と定義すると、Dishonest Abeを厳しく批判することができることを前回のDisinformation Ⅲで示した。そればかりか、「ディスインフォメーション」を看過すれば、日本もプーチン体制のような恐ろしい状況になりかねないことも指摘した。

 

こんなわたしからみると、日本のマスメディアや野党の追及は手ぬるいとしかいいようがない。問題の本質はDishonest Abeのディスインフォメーションであり、このディスインフォメーションによって民主主義が破壊されていることに気づくことなのだ。

 

幸いなことに、いまでもDishonest Abeは妻昭恵が森友学園への国有地払い下げ取引に「全く関係なかった」といっている。つまり、いまでもディスインフォメーションを自ら垂れ流しつづけている。そうであるならば、国会の場で徹底的にDishonest Abeのディスインフォメーションを明らかにすればいい。

 

Dishonest Abeを徹底追及せよ

そこで、ここで国会議員にどう国会の場でDishonest Abeの正体を明らかにすべきかを具体的に論じてみよう。まず、2017年2月17日の衆議院予算委員会での民進党の福島伸享議員へのDishonest Abeの二度にわたる発言を確認しておく必要がある。Disinformation Ⅲでも紹介したが、その一部をもう一度、紹介しておきたい。

 

「私や妻がこの認可あるいは国有地払い下げに、もちろん事務所も含めて、一切かかわっていないということは明確にさせていただきたいと思います。もしかかわっていたのであれば、これはもう私は総理大臣をやめるということでありますから、それははっきりと申し上げたい、このように思います。」

 

「繰り返しになりますが、私や妻が関係していたということになれば、まさに私は、それはもう間違いなく総理大臣も国会議員もやめるということははっきりと申し上げておきたい。全く関係ないということは申し上げておきたいと思いますし、……」

 

この発言をいまでも撤回するつもりはないかを尋ねてみるのがいいだろう。2018年3月14日の自民党議員への答弁で、いまでも全く関係ないと主張しているわけだから、Dishonest Abeは一年前の発言について撤回はしないだろう。それでも、どう答えるかは大問題だ。なぜならDishonest Abeはいまでもディスインフォメーションを平然と流しつづけているのだから。

 

つぎに、「一切かかわっていないということは明確にさせていただきたいと思います」と、「全く関係ないということは申し上げておきたい」という部分について、この発言の根拠を尋ねてもらいたい。「一切かかわっていない」というのはそもそもどう意味なのか。「全く関係ない」というのは、Dishonest Abeにとってどう意味なのか。何度も籠池夫妻に会い、昭恵の秘書経由で財務官僚に問い合わせをしていたにもかかわらず「一切かかわっていない」とか「全く関係ない」と主張してきたDishonest Abeの言い分をもう一度、尋ねてほしい。

 

この議論は一年前にもしたわけだから、一年前の答弁とよく比べてほしい。Dishonest AbeのDishonestぶりが際立つに違いない。

 

現時点で一年前と大きく異なっているのは、財務省の国会答弁がディスインフォメーションであっただけでなく、虚偽答弁であったことである。この新しい状況下で、財務省の理財局長や近畿財務局長が土地払い下げ取引に昭恵夫人が「一切かかわっていない」とか「全く関係ない」と言えるかを尋ねる必要がある。他方で、佐川宣寿に昭恵夫人部分の削除したものと削除前のものと違いを問い詰める必要がある。前者であれば、昭恵夫人が「一切かかわっていない」とか「全く関係ない」といえるかもしれないが、後者であれば「一切かかわっていない」とか「全く関係ない」とはいえなくなると認めさせることがもっとも肝要なところだ。

 

虚偽かどうかや動機を問題にするな

Dishonest Abeを相手にする以上、虚偽かどうかや動機を明らかにするなどといった質問は通用しない。Dishonest Abeはまったく誠意ある答えをする気がそもそもないのだから。

 

Dishonest Abeを追い詰めるには、ディスインフォメーションという「不正確」な情報という部分に集中砲火を浴びせるだけでいい。つまり、土地払い下げ取引に昭恵夫人が「一切かかわっていない」とか「全く関係ない」という発言が虚偽であるかどうかを立証するのは難しいが、少なくとも不正確であることを徹底追及するのだ。

 

Dishonest Abeの「意図的で不正確な情報=ディスインフォメーション」がまさに情報操作(manipulation)であったことを問題視すればいい。このディスインフォメーションを補強するために、財務官僚は公文書改竄にまで手を染めたという具合に考えれば、納得のゆく説明ができるだろう。もちろん、その改竄の動機やだれに命じられたかも重要だが、もっとも重要なのはDishonest Abeのディスインフォメーションがそのまま功を奏し、この不正確な情報のもとで衆議院選が実施されたことなのだ。

 

「安倍=プーチン」のキャンペーン

Disinformation Ⅲでも書いたように、Dishonest Abeとプーチンはよく似ている。ディスインフォメーションの恐ろしさを日本国民に伝えるためには、プーチンの発したディスインフォメーションを例示するのがよい。

 

1999年当時、首相だったプーチンがとったのは、国内で連続爆破テロを起こし、それをチェチェンのテロリストのせいにして徹底的に弾圧することだったのではないか。それによって国民的人気を勝ち得ようとしたのではないか。真偽はわからないが、「爆破テロはチェチェンのテロリストによる犯行だ」というプーチンの発言は「意図的で不正確な情報」と判断することはできる。なぜならDisinformation Ⅲで紹介したように、リャザン市でのアパート爆破回避事件に連邦保安局(FSB)がかかわっていたことが事実としてわかっているからだ。

 

結局、プーチンはこのディスインフォメーションを流しつづけて、チェチェン弾圧を強め、国民の人気を集め、エリツィンに大統領後継者に任じられ、大統領選でも大勝した。

 

日本では、Dishonest Abeがディスインフォメーションを流しつづけ、いまでもなんら反省していない。財務省による公文書改竄という「犯罪行為」が明らかになったいまでも、そのふてぶてしい態度は変わらない。まさにDishonestな対応ということになる。

 

首相が国会の場で「意図的で不正確な情報」を流しつづければ、それが虚偽であろうがなかろうが、そのディスインフォメーションが民主主義の大原則である相互信頼というバックグランドを破壊してしまうのだ。

 

国会議員やマスメディアはDishonest Abeの正体を明らかにしてほしい。国民を騙し、国民をなめ切った男、Dishonest Abeが政治家でありつつければ、それはプーチンの支配するロシアのように国家主導で国民の命さえ奪いかねない日本になってしまう。ましてや、こんなDishonest Abeのもとで憲法改正議論に着手しようというのはあまりにも危険である。ディスインフォメーションによって国民を騙し、議員数を増やして、憲法改正まで実施しようというのはまさに独裁者にでもなるつもりなのか。ディスインフォメーションを流しつづける安倍晋三をこのままに放置すれば、憲法改正議論においても同じ手法でディスインフォメーション工作を継続するに違いない。国民間に不信感を煽り、安全保障問題の重要性を説くというやり方はロシアのプーチンのやり口そのものだ。

 

Dishonest Abeに騙されてはならない。

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塩原 俊彦

(21世紀龍馬会代表)

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