5月21日の講演と『ウクライナ3.0』の刊行について

「ウクライナ戦争の世界史的考察」という講演を5月21日午後1時から明治大学駿河台校舎研究棟第9会議室で行います。拙著『プーチン3.0』をもとに話をしますが、『ウクライナ3.0』の原稿を書き上げ、これも近日中に上梓されるので、こちらも踏まえた内容になるかと思われます。これからは、少しだけゆっくりできるので、ウクライナ戦争の動向をじっくりと見守っていきたいと考えています。

 

講演会の効用

暇な時間があれば、「勉強しろ」と教えてきたわたしとしては、講演会に出かけるくらいなら、「本を読め」と言いたいところですが、まあ、そうともかぎりません。わたしは、人生で一度だけ、岩波文化講演会なるものに出向いたことがあります。もう40年以上昔の話です。まだ、存在した九段会館で開催されたものでした。講演者は二人、一人は加藤周一でした。もう一人は記憶にありません。

加藤の話で一つだけ覚えていることがあります。それは、「情報操作(manipulation)に気をつけなさい」というものでした。生まれてはじめて、「マニピュレーション」という言葉を聞いた瞬間でした。

物理的な移動を伴って、実際の空間に出向いて話を聴いてみるのは、体験として心に残るもののようです。という意味では、別にわたしの講演でなくても、出向いてみる価値はあるかもしれません。

 

頭の整理

講演をする立場から言うと、講演は頭を整理するうえでいい機会と言えます。30分間話すだけで、数十万円をもらえるといった講演も何度かしたことがありますから、金銭的な報酬という魅力もあると本音も書いておきましょう(なお、今回の講演は無償のボランティアであり、拙著『プーチン3.0』の宣伝をかねているようです)。

『プーチン3.0』や『ウクライナ3.0』を書くために、マスメディアからの取材を基本的に断ってきました。不勉強な記者と話をしても時間の無駄ですから。高知にいた際には、大学の広報課を通じて、NHKの高知支局と東京の本局から取材依頼があったようですが、広報課の方に「お断り」するようにしてもらいました。

唯一、高知新聞の記者の取材を受けました。これも、今回の講演と同じで、頭の整理に役立つという理由からでした。

それにしても、マスメディアの報道はひどいようですね。わたしは、執筆のために、最近、日本のテレビを観ていないし、新聞も読んでいないのでよくわかりませんが。そういえば、友人から教えてもらった伊藤貫のビデオ(https://www.youtube.com/watch?v=Ehf-NodXCYM)でも、マスメディアの悪辣さを批判していました。彼の主張は、わたしの見解に近いので、暇な人は観る価値があるかもしれません。

 

何を話すか

さて、何を話すかについては、すでにこのサイトにメモをアップロードしていますから、そちらをご覧ください。といっても、この「ウクライナ戦争の世界史的考察」というタイトルはわたしが決めた「お題」ではありません。このタイトルに合わせて、「適当」にお話ししたいと思っています。

今回は、『ウクライナ3.0』の原稿を仕上げた直後という高揚感もあるので、余談をたくさん話したいと考えています。わたしからみると、ちょっとした出来事にたくさんの「知」が関係しているので、「世界史的考察」といった大風呂敷を敷くと、いろいろな話題に展開できそうなのです。

これまでは、一度、時間に合わせて、自室でリハーサルをするというのがわたしの流儀でした。しかし、「評論家」という肩書で、「単独者」として講演するだけですから、その場で思いついたことを縷々お話しようと思っています。要する、気楽なのです。

 

『ウクライナ3.0』について

『ウクライナ3.0』の原稿は5月17日に書き上げました。いま、二人の知り合いと、二人の元ゼミ生に校正をかねて読んでもらっています。その意味では、最終稿が確定したわけではありません。

それでも、『ウクライナ3.0』を書いてみて、よかったとつくづく実感しています。なぜかというと、やはり戦争は片側からだけ分析はしてはいけないからです。双方の言い分や環境について、詳細に分析しなければ、事態をより深く理解できません。そのことを今回、身をもって知ったような気がします。

どんな内容かは、次回にでもアップロードしたいと考えています。乞うご期待。

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塩原 俊彦

(21世紀龍馬会代表)

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