「ウクライナ・アーキペラゴ」(ウクライナ群島)という視角
今週読んだ記事・論文のなかで出色だったのは、「「ウクライナ・アーキペラゴ」(Архіпелаг Україна)。戦争がウクライナ社会をどう変えているか」という記事だった。「アーキペラゴ」という言葉をみたとき、Архипелаг ГУЛАГ(『収容所群島』)を思い起こした読者はなかなか優秀であると思う。そう、アレクサンドル・ソルジェニーツィンが書いた、1918年から1956年にかけてのソ連における弾圧を描いた大作だ。257人の収容者の手紙、回想録、口述記録、および著者自身の体験に基づいて著された。作家のこの文学的考察を通じて、読者はだれもがグラーグの囚人たちが経験した恐怖を実感し、同様の出来事が二度と繰り返されないようにする必要性を痛感するだろう。
L’archipel français, naissance d’une nation multiple et divisée
ただし、この記事では、「ウクライナ・アーキペラゴ」がソルジェニーツィンの『収容所群島』の連想とは書いていない。「アーキペラゴ」(群島」)という比喩を提唱したのは、フランスの研究者ジェローム・フルケで、著書『フランスの群島』の中でこの概念を提示したと記されているだけだ。
どうやら、これは事実らしい。フルケは、L’archipel français, naissance d’une nation multiple et divisée(直訳すれば、『フランスの列島化―複雑に分裂した国家の誕生』)のなかで、フランスはさまざまな社会集団に分裂してしまっているので,それらの大小の島々があたかも国家を形成しているようである、と考えたというのだ(井上泰夫の書評を参照)。
乞うご期待
いずれにしても、「アーキペラゴ」(群島」)という比喩によって、さまざまな視角が可能となる。その視角をウクライナという国家に適用すれば、さまざまな論点が開けてくる。その意味で、この記事は私にとってきわめて有益であった。そのうち、「知られざる地政学」の連載において、深く分析することにしたい。




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