【第2弾】 民主主義の虚妄:なぜウクライナ検事総長をトップとする「詐欺コールセンター・ピラミッド」を報道しないのか  「ポリアーキー」状態の日本 【要拡散】

「ウクライナの現実:検事総長が「詐欺コールセンター」を庇護か なぜかオールドメディアが報道しないウクライナの恥部 【要拡散】」につぐ第2弾をお届けする。日本時間9月10日午前10時現在で入手した情報に基づいて、再論したい。

 

ドイツ政府の「二重基準」

いま、ドイツでは、フリードリヒ・メルツ政権の「二重基準」が大問題になっている。それは、あくまでロシアだけが「悪」であり、ウクライナがどんなことをしようとも、ウクライナは「善」であるという、頑ななドイツ政府の姿勢にかかわっている。

具体的な事象は、ライプツィヒ空港で8月5日、ウクライナの航空会社の貨物機の間でドローンが発見されたことに端を発する。その同じ夜、別の飛行物体がDHL社のボーイング貨物機と衝突した(同機は軽微な損傷のみで無事に着陸した)。さらに1週間後、空港近くの野原で3機目のドローンと、さらに爆発物が発見された。

ザクセン=アンハルト州議会選挙の5日前の9月1日、アレクサンダー・ドブリント内相とヨハン・ヴァーデフール外相が共同記者会見を開き、「警察の捜査、犯行の手口、そして諜報機関の情報を総合すると、ライプツィヒ空港での攻撃未遂についてロシアが責任を負うことが証明される」と発表した。この発表は、ウクライナへの武器供与や、ロシアに対する制裁による圧力に反対する意向を示している「ドイツのための選択肢」(AfD)への一撃を狙った政治的な動きのようにみえる。

ヴァーデフール外相は会見で、「どのようにしてこの事実を把握したのかは正確には説明できないが、事実として、ロシアの諜報機関が背後にいる」と話した。

ところが、メルツ政権は、ノルドストリーム(バルト海に敷設されたガスパイプライン)爆破事件については、容疑者がすでに特定されており、その一部は裁判にかけられているにもかかわらず、ウクライナ政府をまったく批判していない。事件の背後にウクライナ政府がかかわっていると検察当局が主張しているのに、メルツ政権はウクライナに対する政治声明を出していないのだ。

 

ノルドストリーム爆破事件

この問題については、「現代ビジネス」(2026年5月8日付)において、「スイスの有力メディアが痛烈批判!ノルドストリーム爆破事件に「新説登場」でいま問われる、ドイツ政府の重大責任」という記事を公表しておいた。その冒頭の記述はつぎのとおりだ。

「スイスでもっとも高い信頼を得ているだけでなく、ドイツ語圏においても高い信頼度を獲得している「ノイエ・ツュリヒャー・ツァイトゥング」(NZZ)は今月1日、第一面で編集長エリック・グイヤーの論説「ドイツはキーウの前にひれ伏す」というタイトルの記事を掲載した。そこで語られているのは、ドイツのフリードリヒ・メルツ首相への厳しい批判である。」

記事のサブタイトルには、「ベルリンでは、ウクライナへの批判は概してタブー視されている。政府は、ノルドストリーム・パイプラインの爆破さえも非難していない。メルツ首相の外交政策は、ますます不可解なものとなっている」と書かれている。

実は、グイヤー編集長の忌憚のない論説は、4月にドイツ語で刊行された『ノルドストリーム爆破事件 ヨーロッパを震撼させた破壊工作の真実』という本に触発されて書かれている。論説中で紹介されている同書は、「ウォール・ストリート・ジャーナル」(WSJ)の特派員、ボヤン・パンチェフスキによって書かれたものだ。グイヤーは、同書について、「ロシアの侵攻初期におけるウクライナの権力機構の興味深い実像が浮かび上がった」と評価している。

その本では、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、ウクライナ当局の主張に反して、ノルドストリーム爆破計画について知っていたと主張している。また、米中央情報局(CIA)は、テロ事件への関与を否定する米国当局の公式声明に反して、その実行犯たちに助言を行っていたとみなしている。具体的な実行犯として、ウクライナ保安局(SBU)とロシア軍参謀本部情報総局(GRU)の元高官2人が率いる少人数のウクライナ人グループを挙げている。

他方で、米国のジャーナリスト、シーモア・ハーシュは2023年2月8日、「アメリカはいかにしてノルドストリーム・パイプラインを破壊したのか」という長文の記事を公開し、そのなかで、「作戦計画を直接知っている」ある無名の情報源を引用して、米海軍の「熟練深海ダイバー」が2022年6月の訓練中にC-4爆薬を仕掛け、その3カ月後に遠隔操作で爆発させた方法が詳述されている。バルト海海底に敷設されたガス輸送用PL爆破の命令を下したのはジョー・バイデン大統領であると主張している(拙著『帝国主義アメリカの野望』では、「バイデンの直接関与」を主張するジャーナリスト、シーモア・ハーシュの説を強く支持すると書いておいた[106~108頁]。最近では、人類学者のエマニュエル・トッドが著書『西洋の敗北』のなかで、「私はこの出来事に関して、シーモア・ハーシュの見解を受け入れている」と書いている[179頁])。

NZZのグイヤー編集長のメルツ首相への怒りは別のところにある。ハーシュ説やパンチェフスキ説とは別に、「連邦検事総長は、ウクライナ軍がドイツ・ロシア間のガスパイプライン「ノルドストリーム」を攻撃し、バルト海にある4本のパイプラインのうち3本を爆破したと確信している」のだから、しかも、検事総長は犯人らに対して逮捕状を発行し、容疑者の1人はドイツで勾留され、裁判を待っているのだから、メルツ首相に対して、もっと毅然とウクライナに対峙せよと求めたのである。

しかし、いまも、メルツ政権はロシアだけの「悪」として名指しで批判する一方、ウクライナについては「善」として容認しつづけている。

 

オールドメディアの及び腰

先のNZZはこうしたメルツ政権を批判するものだった。しかし、実際には、ウクライナにおける不祥事を「正直に」報道する西側のマスメディアはほとんどない。たとえば、「検事総長が「詐欺コールセンター」を庇護か」というウクライナの現実について、真正面から取り上げた西側の主要メディアは、9月10日現在、存在しない。

民主主義を標榜していながら、それらのすべての国において、マスメディアは言論統制を敷き、各国政府に不都合な情報を報道していないのだ。そうした現実を知れば、いかに民主主義なるスローガンが嘘くさいかに気づくだろう。

だからこそ、「知られざる地政学」連載(150)「政治家なんかいらない!:『政治家なき民主主義』と『政治家なき政治』を読む」()において、人民による統治を意味する民主主義が機能しておらず、人々が民主主義と誤解しているのは、「ポリアーキー」(polyarchy)にすぎないと指摘した、テリル・(テリー)・ボウリシウスの著書『政治家なき民主主義:人民による政府』(Democracy Without Politicians: Government By the People)を紹介したのだ。

このポリアーキーは、20世紀を代表する政治学者ロバート・ダールが一般に「代議制民主主義」と呼ばれる選挙による政府の体制を形容するために用いたものだが、それは民主主義国家の存在を否定する議論のためだ。血統によって統治者が決まる君主制や伝統的な寡頭制とは異なり、ポリアーキーでは、寡頭的な権力をめぐって複数のエリート連合が競い合っている。選挙とは、統治権を争うエリートの一派が中心となって行われるものであると認識したダールは、機能するポリアーキーには、独立した報道機関、政党結成の自由、ほぼ普遍的な成人普通選挙権など、さまざまな文化的・制度的な前提条件が必要であると主張した。つまり、「ポリアーキーは、民主主義(人民による統治)と権威主義的寡頭制(少数の者による統治)の中間に位置づけられるかもしれない」、とボウリシウスは記している。

おそらく、このボウリシウスの指摘は的を射ている。とかく、西側のオールドメディアは中国やロシアを権威主義国家と揶揄するが、現実は民主主義国家を標榜する国も大同小異にすぎない。いや、「もっとひどい」と言えるかもしれない。なぜなら、いわゆる権威主義国家では、大多数の人々がマスメディアの嘘に気づいているが、「似非民主主義国家」では、大多数の人々がマスメディアの嘘に気づいていないからだ。

 

第一副検事総長も辞意

昨日、アップロードした拙稿「ウクライナの現実:検事総長が「詐欺コールセンター」を庇護か なぜかオールドメディアが報道しないウクライナの恥部 【要拡散】」から、10日午前10時までの間に新しくわかった重要ニュースは二つある。

第一は、マリア・ヴドヴィチェンコ第一副検事総長が職を辞し、検察庁を去ったことである(「ウクライナ・プラウダ」を参照)。興味深いのは、ヴドヴィチェンコの自宅を家宅捜索した際に発見された資料から、ウクライナの腐敗防止機関の長ら、その家族、および部下たちが監視されていたことが示唆されたことだ。つまり、検事総長らは、国家反腐敗局(NABU)や特別反腐敗検察(SAPないしSAPO)の動きを熟知していたことになる。

 

はしっこいゼレンスキー大統領

この事実によって、なぜゼレンスキーが今年8月になって、急にコールセンター対策に強い関心を示しはじめたかがわかる。彼は議会に対し、カード関連犯罪の犯罪化および詐欺コールセンター活動の犯罪化――のための法案を9月2日に提出した(「ストラナー」を参照)。

前者は法案第16013号で、「ドロップ」と呼ばれる者たちへの対策が目的である。ドロップとは、銀行カードを自分の名義で作成し、その後、別途の対価を受け取って(つまり、実質的には売却して)他者に使用させる者たちを指す。主な改正点は、ドロップ自身だけでなく、カードを受け取る者に対しても罰則が導入されることである。同法案によると、銀行カードを販売する者(ドロップ)自身には、5100~1万7000フリヴニャの罰金のみが科される。一方、その銀行カードを利用する者、いわゆる「ドロポヴォド」に対しては、5万1000~17万フリヴニャの罰金に加え、2年から6年、再犯の場合は最大8年の自由の制限または剥奪が科される。ただし、責任を問われるのは、カードや銀行口座情報の譲渡後に、脱税、マネーロンダリング、テロ資金供与などの犯罪が行われた場合に限られる。

後者は法案第16014号だ。詐欺コールセンターの主催者および参加者に対する処罰を強化するものである。この定義には、3人以上の集団が該当する。なお、彼らが自ら被害者を騙したり、口座から資金を引き出したりする必要はない。銀行秘密に該当する情報(カード番号、口座番号、その他の金融情報)を収集・保存し、それを処理・分析するだけで十分罪になる。詐欺コールセンターに対する懲役刑の刑期は、①設立および運営については、7年から12年、財産の没収を伴う、②参加については、5年から10年、財産の没収を伴うか伴わないか、③支援およびサービス・情報・機器の提供については、5年から10年の懲役(財産没収を伴うか伴わないか)、④新規メンバーの勧誘および資金提供については、3年から5年の懲役(財産没収を伴うか伴わないか)、再犯の場合は5年から10年の懲役(財産没収を伴う)、⑤組織の運営を支援したり、刑事責任を免れるための条件を整えたりした場合は、8年から12年の懲役(財産の没収を伴うか伴わないかを問わない)――などだ。なお、この法案では、犯罪を共謀した仲間を自発的に法執行機関に引き渡す「情報提供者」については、刑事責任を免除することを提案している。その情報提供者が、組織者、指導者、あるいは単なる参加者といったどのような立場にあろうとも適用される。

この2法案を提出することで、ゼレンスキーは自らが詐欺コールセンターと闘っていることを事前に示し、問題が表面化しても、言い逃れができるように仕組んだというわけだ。

 

詐欺コールセンターをめぐる解説

本日知ったもう一つのニュースは、「ドニプロ系対メキシコ系。ウクライナのコールセンター市場はどのように構成されており、なぜそこでは流血事件やスキャンダルが後を絶たないのか」という記事だ。そこに書かれている内容は、前回の記事で紹介した9月6日付のZN.UAの内容と若干異なっている。そこで、今回はその内容について紹介することにしたい。

前回、ロシアによるウクライナ全面侵攻後、ロシア人への詐欺コールは大目にみられていたことを紹介した。しかし、この記事によると、2024年ころから、「ロシアではアンチフラッドシステム(ユーザーの行動や取引を分析し、詐欺を検知・防止するソフトウェア群)が改良され、「コールセンター職員」がロシア人を騙すことがはるかに困難になった」という。そのため、「コールセンターはますますウクライナ人や欧州諸国の住民にシフトするようになった」と指摘されている。

ただし、前回も紹介した、非政府組織Global Initiative Against Transnational Organized Crime(GI-TOC)が2026年4月に公表した報告書「「キエフからの電話」  ウクライナにおける詐欺コールセンターの現象」では、「ウクライナのサイバー警察の情報筋を引用したメディア報道によると、2022年および2023年にロシア向けにかけられた詐欺電話は、全体の10~15%を超えることはなかった」と記されている。つまり、2022~2023年においても、必ずしもロシア人が主なターゲットというわけではなかったとみられる。

 

三つのグループ

記事は、つい最近まで、詐欺コール市場が三つの部分から構成されていたと書いている。第一は、「ヒムプロム」というコールセンターのネットワークで、エゴール・ブルキン(通称「メキシコ人」)が支配している。第二は、ドニプロ出身の実業家たちによるコングロマリットが支配するコールセンターのネットワークだ。第三は、これら以外の、より小規模な組織である。

興味深いのは、「最初の二つのネットワークは、「ワンストップ窓口」を通じて、いかなる検察官に対してもこれまで一度も支払ったことはなく、現在も支払っていない」と記されている点だ。彼らは、ウクライナの治安機関の指導部や軍・政治指導部と非常に幅広いコネクションをもっており、まったく別のレベルで問題を解決している。つまり、検察官ではなく、警官、ウクライナ保安局(SBU)職員、政治家などにカネを支払っていただけだというのである。この説明は、前回のZN.UAの情報と大きく異なっている。

前回の説明では、「情報筋によると、1000カ所を超える「合法」コールセンターの各々が、そこに毎月約2万ドルを支払っていた」としておいた。資金は主にウクライナ保安局(SBU)の代表者によって集められ、その後、隠れ蓑として関与していた組織間で分配されていた。さらに、この「ワンストップ窓口」の裏側を覗いてみると、情報筋によれば、そこにはSBU、軍参謀本部情報総局(GRU)、国家警察戦略捜査局、検察庁、金融監視庁、さらには国境警備局の個々の代表者たちの姿が見える、と書いておいた。

一方、今回の記事では、より小規模な「事務所」は、個々の治安当局者、軍人、政治家、地域の実力者といった、多くの場合それほど高い地位にはない者たちを「非公式な後ろ盾」としていたという。したがって、「この後ろ盾関係から、組織の上層部へ資金が上納されることはなかった」とのべられている。

 

新しい動き

ただ、「少し前」になって、「ウクライナの法執行機関に所属する一部の独創的な人物たちは、この無法状態を終わらせ、市場に秩序をもたらし、小悪党たちを従わせることを決意した」、と記事は書いている。そこで、「オフィス勤務者」たちにとってかなり便利で、十分に快適な「ワンストップ窓口」というスキームが提案された。毎月一定額を支払い、そこから共同資金のように、さまざまな治安機関に分け前が配分される仕組みだという。なお、ウクライナでは、詐欺コールセンターが「オフィシ」(ofisy)と呼ばれるになっていた。コールセンター従業員たちは、「オフィスニキ」(ofisniki)」と呼ばれた。

この仕組みにできるだけ多くの「オフィス」を取り込むため、支払いを怠る業者に対して一斉摘発が行われるようになった。それに伴い、小規模な「オフィス」の従来の「後ろ盾」との間で対立が生じ始めた。とくに昨年、「ワンストップ窓口」を通じた支払額が引き上げられることになってからはなおさらである。どうやら、こうした第三グループへの締め付けの過程で、検事総長グループが暗躍したというのがこの記事の主張である。記事は、「こうした対立が原因で、不満を抱いた者たちがNABUに「ワンストップ窓口」のスキームに関する情報をリークしたようだ」と書いている。

 

「メキシコ人」対「ドニプロ派」

ただし、主要なプレイヤーが「メキシコ人」と「ドニプロ派」であることには変わりはない。「政治的な立場としては、もちろんドニプロ派の方が強い」と記事はのべている。そのため、彼らはかねてより治安当局の手を借りて「ヒムプロム」を排除しようとしてきた。そして、そのコールセンターに対する一斉摘発は絶え間なく行われているという。しかし、「メキシコ人」もそう簡単に捕まえられるものではない。彼は治安機関内の数名の重要人物と強固な横のつながりを築いている。また、彼はいくつかの軍事部隊にも資金を提供している。そのため、彼の組織を壊滅させるのはそう簡単ではない。それに、彼自身も時折、ライバルたちに対して攻撃的な行動に出ている、と記事は指摘している。

そう考えると、最近の血なまぐさい抗争も説明がつく。ウクライナ情報によると、今年3月、インドネシア警察は、バリ島で発見された遺体の一部が、ウクライナ国籍のイホル・コマロフのものであることを確認した。彼は2月15日に誘拐されていた。コマロフは、インスタグラムで20万人近いフォロワーを持つブロガーである恋人エヴァ・ミシャロヴァと共にバリ島を旅行していた。

コマロフは、ドニプロ出身の実業家オレクサンドル・ペトロフスキーの息子である。ペトロフスキーについては、地元メディアの報道で、その多大なビジネス上の影響力、高位の政治家とのつながり、そして組織犯罪との関連が疑われていることが報じられている。つまり、この事件の背後に、「メキシコ人」対「ドニプロ派」が絡んでいると考えても不思議はない。

さらに、モナコで6月29日の夕方、爆発事件が起きたことを思い出してほしい。住宅の一棟のロビーで、爆弾が爆発したのだ。公式情報によると、50歳から60歳の男女1人ずつ、および「彼らと関係のある」13歳の少年のほか、近隣住民の合計5人が負傷した。後に、ウクライナ人実業家ヴァディム・エルモラエフと13歳の息子、そして実業家の同伴者アンナ・ナソビナ(元ドニプロペトロウシク州検察庁第一副検事長の娘であり、社交クラブ「Club Éclectique」の共同設立者の一人)をねらった犯罪であるとわかった。

事件の背後に、息子アルトゥール・エルモラエフをめぐる問題があったと勘繰ることもできる。彼は、ドニプロを拠点に長年にわたり活動し、ロシア国民だけでなくEU諸国の住民をも騙してきた詐欺コールセンター「Cosmo」のネットワークを支配していたとみられる(「ストラナー」を参照)。父ヴァディムは、これらのコールセンターが設置されていたオフィススペースの受益者であったとされている。

 

ウクライナのひどさを報道せよ

先に紹介した報告書には、つぎのような気になる記述がある。

「2022年のロシアによる全面侵攻後、物理的な力や暴力を伴う「キネティック犯罪」から詐欺へと広範な移行が進むなか、現在では、ロシア占領地域を含め、ウクライナの24の州すべてに詐欺コールセンターが存在している。正確な数字の確認は困難だが、その経済規模は膨大である。ある試算によれば、約6万人のウクライナ人が詐欺コールセンターで働いており、これは合法的な銀行部門の雇用者数の3分の2に相当する。全体として、提供された数値から判断すると、諸経費は相当な額に上るものの、ウクライナの詐欺コールセンター経済が月に最大10億米ドルを生み出している可能性は十分にある。」

だからこそ、この悪徳利益をねらって、殺人事件が頻発するのだろう。あるいは、検事総長をはじめ、ウクライナ保安局(SBU)や警察などの治安維持機関の職員らも、そのおこぼれを狙っているのだ。

こうした現実をなぜオールドメディアは報道しないのだろうか。こんなとんでもない国を軍事・財政支援する意味を教えてほしい。

ちょうど、9月9日付の「ニューヨークタイムズ」は、「ウクライナはさらに270億ドルが必要だと主張。欧州はその理由を知りたがっている」という記事を公表した。この内容は、「知られざる地政学」連載(158)「ゼレンスキー大統領と仲間たち:その「厚かましさ」(フツパー)に驚愕」()に書いたものと同じである。ようやく、NYTもゼレンスキーの「厚かましさ」に気づくようになったと言えるかもしれない。

だが、残念ながら、大多数の日本人は騙されつづけている。こんなバカな状況が許されていても、なお「民主国家ニッポン」などと言えるのだろうか。まさに日本は、「民主主義(人民による統治)と権威主義的寡頭制(少数の者による統治)の中間に位置づけられる」、「ポリアーキー」状況に置かれているのだ。

 

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塩原 俊彦

(21世紀龍馬会代表)

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